「今週のことば」 2014年3月

<3月 第3週>
向山校 講師  藤河 健太


3月となり新年度を迎えた。
毎年新中3生を前に思うことがある。
「君たちは何のため、誰のために勉強しているのか?」
もし自分自身の為だとしたら、合格を勝ち取っても空しさを感じると思う。
そう言えるのは私自身がそうだったからだ。
自分で志望校を決め、悩んだ時にも自分で解決し、自分で努力をしてきた。
だから受験戦争を自分一人で戦ってきた。そう思っていた。
しかしそれは間違っている。
何も言わずに学費や塾代を出してくれ、心身共に支えてくれた両親がいた。
志望校は違っても同じ教室で共に勉強した仲間がいた。
陰ながら応援し、支えてくれた先生がいた。
皆さんも同じ。決して一人ではない。
そういう周りの誰かを喜ばせるために勉強するのも悪くはないと思う。



<3月 第2週>
大泉学園校 講師  木津 誠一


「サクラ咲く、出会いと別れの季節」


3月は卒業式、4月は入学式。
桜の花が咲くこの時期は、出会いと別れの季節である。

私もこの3月、東所沢校の生徒たちに別れを告げ、新しく大泉学園校に着任した。
大泉学園校のある大泉風致地区は、緑豊かな都市の景観を維持するために指定された地域の一つだという。大通り沿いには桜が植樹されており、満開になると、美しい桜並木が人々の目を存分に楽しませてくれる。

多くの日本人は「桜」という花を好む。
奈良時代までは、「花」といえばむしろ梅を意味することの方が多かった。しかし、平安時代に国風文化が花開いて以降、和歌に登場する「花」は、ほとんどが桜のことを指している。

私の実家にも桜の木がある。毎年、美しい花を見るのがとても楽しみである。
今年の桜の花を、我々はどんな思いで見るのだろう。

毎年、一人ひとりの生徒が、受験を通過して未来への道を歩んでいく。
その途上にあるのは、楽しいこと、うれしいことばかりではない。時には涙を流すときもあり、勉強が苦しくなるときもあるかもしれない。
だからこそ、合格した喜び、成績が上がった喜びは、一人ひとりにとって忘れられない喜びになるはずだ。

「今年出会った生徒たちが、喜びの表情で来年の春を迎えられるように・・・。」
その想いを胸に、日々歩んでいく。

卒業生たちへ  「自分が頑張って勉強してきたことを誇りに思ってください。卒業おめでとう!」
今の生徒たちへ 「勉強は自分を高める最高のチャンス!自分の未来は自分で切り拓こう!」




<3月 第1週>
早宮校 講師  中岡 秀彰


都立高校の合格発表があった。
「悲喜交々」と書くらしい。まさしくひきこもごもの人間ドラマが展開される合格発表の日。20年近く「この日」に立ち会ってきながら、今だに不合格の悲嘆に喘ぐ生徒にかける言葉がみつからない。
 本人が現実を受け入れるまでの“時間”に解決をゆだねなければならないこの時ほど言葉の無力さを感じることはない。
 しかし、その生徒が冷静さを取り戻し、再び未来へ一歩踏み出そうとする時を見計らって、私は幼なじみの竹原くんの話をすることにしている。
 何をやっても長続きしない子であった。ほぼ同期で入った町内の柔道クラブでも稽古を休むことが多い。近所のKUMONでも私の答案を丸写ししている。なんでもトコトンやらないと気がすまず、柔道の団体戦で西日本大会に出場し、KUMONで中学の内容までバンバン先取りしていた私とはさながらアリとキリギリスのような間柄であった。
 自然、中学に入る頃には疎遠になっていった。そして、高校受験…。竹原くんはスベリ止めのスベリ止めといわれていた高校にも落ちて、何もせずブラブラしているという風の便りを耳にした。なにやら、その筋からは「広島の粗大ゴミ」などとありがたくもないレッテルを貼られているらしい(たしかに図体はでかかった)。
 そして、それぞれの時間が過ぎていった。大学を卒業し、意気揚々とエースセミナー広島校で教鞭をとりはじめた1995年。初めての冬期講習の準備を着々と推し進めていた12月19日、日本のプロボクシングの歴史を塗り替える大きな出来事がおこった。体格面で、日本人には獲得不可能とさえいわれていたミドル級において一人の世界王者が誕生したのだ。
 WBA世界ミドル級チャンピオン・竹原慎二。あの、なにをやらせても中途半端だった竹原くんの成長した姿だった。ブラウン管の向こう側にいる彼は見違えるほど精悍な表情になっていた。
彼は高校受験失敗後、元プロボクサーだった父の縁故をたよって上京。ボクサーとしてのキャリアを着実に積んでいたのだ。少年のころなにをやっても長続きしなかったのは、運命の神が、ボクシングに注ぐ鋭気を温存させていたからなのかもしれない。勉強面ではコツコツ努力するアリになれなくとも、得意分野ならモハメッド・アリにだってなれる。
 あくまでも結果論にすぎない。彼の事例は何万人に一人の例外なのかもしれない。しかし、それを承知の上、私は生徒たちに言う。
            「不合格だったことで、拓(ひら)ける道もある。人間万事塞翁が馬!」


「今週のことば」 2014年2月
 
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