「今週のことば」 2017年2月

<2017年2月第2週>                  
大泉学園校 室長 中村 一博

「入試で合格した人、不合格になった人へ」
 
 私の塾のある東京都では、このメッセージがアップされる頃に都立一般入試がおこなわれ、1週間後には、合否がでる。私たちの生徒の多くがこの試験に臨んでいる。合否が出ることで、子供たちは人生の厳しさを知る。
 受験には必ず合格者と不合格者に分かれる。合格は、まるで、人生の成功を得たごとくに扱われる。不合格者は人生での大きな挫折を味わうかのような気持ちになる。しかし、私たちは、志望校という目標のために真剣に受験に向かい、休日は朝から夜遅くまで勉強し、凄まじい努力をしてきた彼らの姿を実際に見てきた。私たち塾講師は、その後ろ姿を見ながらいつも切なく感じ、心情の奥底で涙を流してきた。この1年間は彼らなりに、自分の未来に向かってまだ15歳の弱い自分と闘い、ギリギリまで頑張ってきたのである。そんな彼らには、勝者、敗者という言葉を当てはめることはできない。最後まで受験に向かい、直前まで目標完遂のために戦い続けた子供たちばかりであるから、勝者なのである。
 
 合格した人へ。
 皆さんは、長い人生の中で残されたおよそ60年~70年のスタートに立っただけであると考えた方がいい。ここで、目標が達成されて、安堵してはいけない。自分が望む道のスタート地点にたち、これからが厳しい道のりがまっている。それを何度も通過しなくては勝者にはなれない。想像しても想像できない自分の人生を考えれば、ここで、有頂天になってはいけない。もう一度自分のゴールに向かって走り続けてほしい。
 
 不合格になった人へ。
 受験で皆さんが積み上げた努力は、入試ではかなわなかったけれど、そこで得たものは大きい。入試での不合格は、野球では、1回の表が終了した時点で1、2点を先行されたくらいに過ぎない。したがってこの時点での敗者と決めつけるのはおかしい。不合格ということで落ち込むことはない。未来に向かって強い気持ちをもって歩み始めてほしい。繰り返すが、受験勉強で経験して得た人間力は、これからの皆さん人生に中で通過しないといけない試練をこえる武器になる。自分の進むべき道をもう一度明確にして、力強く歩みだしてほしい。
 
 彼らが、初めて塾にきて学び始めた時のことを思い出せば、本当に信じられないくらい成長した。逞しくなった。私たちはそんな彼らの成長した姿を見ることができただけでもこの仕事をしてきてよかったと感じている。おそらく、保護者の方もそう感じていると思う。数年後に私たちを訪ねてくるときは、自分の夢にむかって、受験の合否に関係なく、力強く歩んでいる姿を期待したい。



<2017年2月第1週>
向山校 室長  小嶋 守

I have a dream.」           
 
 今は二月。受験シーズンのピーク時である。わが教室でも小学生、中学生、そして高校生が第一志望校合格を目指して懸命に努力をしている真っ只中である。
 当の受験生には、このメッセージを読んでいる余裕などないかも知れないが、敢えて言いたい。「あなたは夢を持って、それに向かっていく中で目の前の勉強をしていますか?」と。
 
 「私には夢がある。」生徒にも時折語る夢である。その一つが「世の中の人がみんな善い人になれば、警察も軍隊も、その他多くのものが不要になる。」というものである。
 
 人を騙したり、奪ったり、傷つけたり、殺したりする人、そしてそういう人間の集合体である諸団体や国家が存在するから警察や軍隊が必要なのであって、もしそういう人がこの世からいなくなれば、現在警察や軍備に「浪費」しているお金を世界中の本当に困っている人々の為に使うことができる。私はその世界の合計が幾らなのかは知らないが、恐らく何十兆という単位の金額であるはずだ。それだけのお金があれば、飢餓や貧困、医療、教育機会等の多くの問題があっという間に解決するだろう。画期的な発明などなされなくてもよい。ただ人間の心が変われば良いだけの話だ。あっという間に世界が平和になり、幸福が訪れる。
 
 ただ、その「人間の心が変わる」ということが不可能に思える程難しいのが問題だ。簡単に変われるのであれば、人類の歴史にはとっくの昔に平和が訪れていたはずだ。人類云々という大げさな話を持ち出さなくてもよい。ただ一人わが身を鑑みても、悪事を犯さない善き人になる事は絶望的なまでに困難に思える。
 
 それでも本心はそれを希求している。という事は実現可能であるということだ。いつか真の意味で平和で、幸福な世界がくる。少なくともそう信じて日々を積み重ねていくしかないと私は考えている。
 
 かつてキング牧師が「I have a dream.」と語った時、一体どれ程の人間がその実現を信じただろうか?彼が数十年前に語ったその夢は完全にとまでは言わないが、相当な部分実現していると言えるだろう。少なくとも彼が夢を語り凶弾に倒れる以前より、状況は劇的に改善されていると言って良い。
 
 であるならば、我々も途方もない夢を語り、それを実現する為の方策を生み出せるように必死に学んでいこうではないか。
 
 Yes. I have a dream! We can have a dream!


「今週のことば」2017年1月
 
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