「今週のことば」 2016年12月

<2016年12月第4週>
上井草校 室長 田草川 英毅

「都立数学の証明問題は苦手な生徒にはスルーするように指導するべきか」という“大命題”を前にして
 

 『君の名は』、日本だけでなくチャイナでも驚くほどの大ヒットである。オリジナル作品を見たことはないが、話としては有名なテレビドラマだったと聞いている。『上海ブルース』とい香港映画がある。個人的には名作に数えてもよいくらいの好作品だと思っている。その元ネタが『君の名は』だという認識はもっていた。今回のものはタイトルだけが同じで、内容的には大林監督の尾道三部作の一本目『転校生』の男女入れ替わりの話、という程度の予備知識しか持っていなかった。ただ、アニメ作品は私にとって苦手のジャンルで『○○の動く城』『コ○○坂』を観に行ったが、その時もほぼ全編爆睡してしまった。そんなこともあって、足を運ぶのを躊躇させていた。その壁をこえて、足を映画館に運ばせたのは、卒塾生の熱心な説得というかプレゼンがあったからだ。
 
 その卒塾生に「この映画は観た方がいい」といわれて、スクリーンを観に行ったのは今回が二度目だ。一度目は『ビリギャル』だった。同業者のストーリーで関心がなかったわけではないが、ほとんど映画館に行くことをやめていた時期だったので、最初あまり気乗りはしなかった。ところが、誰をも行かせる気にさせる卒塾生の話に騙され半分で行って観たら大感動ものだった(逆にというか、次の週のミーティングに、ほかの教室の社員に対し「絶対に観たほうがいい、観ないと損ですよ」という自分がいた。その後、「7回も見た」という社員も出るほどだった)。その前例もあって、今回も委ねる気になったわけだ。
 
 相手をその気にさせるように仕向ける、あの手この手で説得する行為が、ふと数学の入試問題を解くのに通ずるものがあると思った。
 
 入試問題に対峙しているときは、自分の持っている知識を、わずかな時間で適切なものを選択し、解答に辿り着く道筋を考え、その考え方が正しいかどうかを吟味しながら、さらに自分の行っている計算がミスを犯していないかも同時にチェックしながら解いていく、制限時間のある中で、まるでスリルとワクワク感でいっぱいの中に身を置く感覚になることもある。
 
 中学2年生は『図形の証明』の単元が二学期半ばくらいに入ってくる。証明問題は自分が論証していくことだから、これにももちろん通じてくる。小学算数で地ならしはしてあるが、図形という題材を借りて、自分が論証したことを、100%正しく、文字に起こして伝えるという、中学生にとっては大事業とも思えるくらいの分野だ(ここを好きな生徒にはあまりお目にかかったことはない)。「わからずや」の採点者の繰り出す様々な「なぜそれが成り立つのか」という疑問を先回りして、「この根拠があるからこのことが成り立つのだ」を丁寧に繰り出して、説き伏せる。
 
 都立入試は、完全証明問題として出題されるので、いわゆる穴埋め形式ではなく、自分のことばで書けるようになっていかなければならない。区立中学校の先生の中には、画一的な方法を逸脱して書くと、問答無用で誤答扱いにする頭の固い尊師もかなり存在する。大勢の生徒の記した大量の証明問題の解答をていねいに見て、個々の箇所の表現はおかしいとかこのように直した方がいいとか指摘していくのは大変な労力が要るので、そのような方法を取らざるを得ないのは無理からぬことで、同情の余地はある(読みやすい字で書いてあればまだしも、今時の中学生の書く字は、日本語なのかアラビア語なのか、「君は日本人か?」と言いたくなることもよくある)。
 
 「数学はお金のかからない、死者も出さない人類の武器」だから、論理的思考の基礎練習である「証明問題」を、解く生徒側も、教える講師もおろそかにしてはならないという思いに、今回のことを通して至った。そしてしっかり見てあげられるのは、自分たちしかいないとも思い、覚悟して教室に日々入ろうと決意した次第である。



<2016年12月第3週>
保谷校 室長 野澤 幸夫

美しい光景
 

 今年も残すところあとわずかとなった。2016年もいろいろな出来事があった。年明け早々には、北朝鮮の水爆実験成功のニュースが飛び込んできた。ご存知のように、その後もミサイルを何度も発射し、我が国はもちろん世界的にも大きな脅威であり懸念事項になっている。その1週間後に、軽井沢町の碓氷峠でバス事故が発生し多くの若い犠牲者を出した。暗い一年のスタートだったことを思い出す。
 しかし、3月には、北海道新幹線が開業し、明るい話題を提供してくれた。
 また、アメリカのオバマ大統領が現職としては初めての広島訪問を果たし、世界が注目した。その後、イギリスの欧州連合からの離脱が現実になり、正直驚いた。今後の具体的な成り行きにも注視しているところだ。さらに、リオデジャネイロオリンピックの開催と日本選手の大健闘で、日本国中を非常に盛り上げてくれた。
 秋には、ドナルド・トランプ氏が、アメリカの第45代大統領として選出された。アメリカ国内のほとんどのメディアが、また日本のマスコミでもヒラリー・クリントン候補の優勢を伝える中での結果だったので、驚きがより増幅された。すでにその影響が、為替レートや株式市場にも反映している。やはりアメリカ大統領の世界への影響は大である。いずれにせよ、ただただ世界万民が願い、人類歴史が希求している世界平和が、着実に実現していくことを願うばかりだ。
最近の出来事では、ノーベル医学、生理学賞に大隅良典東京工業大学栄誉教授が、日本人として25人目のノーベル賞受賞を果たした。未来に希望を抱かせる研究成果で、今後も多くの人々にいろいろな救いの手を差し伸べることになるだろう。大いに期待したい。
 さて、今年も年の瀬を迎え、エースセミナー保谷校に通っている生徒たちも、年の瀬と共にいよいよ受験本番が近付いてきた。受験が、早い生徒では1カ月とちょっとで、最終の都立一般入試でも2カ月ちょっとに迫ってきた。今がまさに勝負のときだ。学力をしっかりつけ、受験対策に万全を期していきたい。また、精神的な面でも揺るぎない自信を身につけてゆくことが必要になる。その裏付けとなるものは、日々の小さな積み重ねの努力ということになる。今やるべきことを、ひとつひとつ誠実に取り組み、積み上げていくことだ。
 この時期は、どうしても「できた」「できない」で一喜一憂しがちだ。その気持ちも理解できるが、それよりも大切なことは「できない」問題に出会ったときは、とことん納得するまでやり抜くことだ。そして、くりかえし繰り返しやり続けることだ。その問題こそが、まさに自分の「伸びしろ」にちがいないからだ。当塾では受験生全員が、このような受け止めをしながら、いま積極的にまた徹底的にこれを実践している。その光景は見事であり、実に美しい光景だ。これが、彼らの未来であるように思える。また、そうなることを願うものである。



<2016年12月第2週>
AO大泉学園校 室長 有川 正志

受験を通して成長する


高校受験まであと2カ月、この時期になると卒塾生のAさんが脳裏に浮かぶ。
Aさんは5教科とも良くでき都立進学校を志望していた。
 
都立の過去問演習を始めたところ
「先生、マジやばいです。作文が書けません」とAさんの表情がゆがんだ。
 
「あまり難しく考えないで、テーマに合った自分の体験や見聞を書いてから、自分の考えをまとめればいいんだよ」
 
「でも、適当な体験もないしテーマが難しくて何を書いたらいいか全くわかりません」とAさん。
 
確かに作文のテーマが「環境の持続可能性」「科学がわかる」「取り合わせの美」など難しいテーマが多い。Aさんは塾では英語と数学を受講していた。
 
「じゃAさん、作文の特訓をしよう!」
 
それから約2カ月間、作文の基礎学習からはじめ、過去問の模範作文の音読と清書を繰り返し、必死に練習し、全身に作文を刷り込んだ。そして少しずつ自分の言葉で書けるようになった。
 
そして迎えた受験。受験後、自己採点しに塾に来てもらった。
 
「先生、5教科中、国語が一番いいです。作文を除いて90点です。作文もちゃんと書けました」
とAさんが満面の笑みで叫んだ。(200字作文の配点は10点満点)Aさんは数学が一番得意だった。
 
「本当に良く頑張ったね!Aさんの頑張りに拍手!あとは合格を信じて待とう!」
 
Aさんが合格発表後、報告に来てくれた。
 
「先生、合格しました!めっちゃ嬉しいです。ありがとうございました。」
「受験、頑張って本当に良かったです。始めは消えたいと思うほど辛い時がありましたが、先生やみんなに支えられて何とか頑張れました。自分でもちょっと成長できたような気がします」
 
“Aさんは受験を通して本当に大きく成長した”と私はその時実感した。 
 
今日も必死に頑張っている受験生の成長を願って投入する。



<2016年12月第1週>
AO石神井公園校 室長代理 田中 浩介


 12月に入って中3生たちの仮内申がでてきました。上ったら“よかった、よかった”、下がったら、まるで受験に失敗したかのように落ち込む。東京の都立高校入試は12月はじめに出る仮内申(最終的には本内申となる)と当日のテストの合計で合否が決まる。そして受けられる私立の併願優遇もその仮内申で決まるので、落ち込むのは当然のことだけれど、年々厳しくなる都立の受験。
 “いえいえ”落ち込んでいる場合ではないのです。冷静に受け止めて、判断しなければなりません。受けたい併願優遇の高校を1ランク下げたとしても、本命の都立高校を変えたくなければ、本番の点を高得点取るしかありません。あと2ヶ月半、必死で頑張るしかない。
 弱音を吐くことはたやすいことです。どうかたやすいほうに行かないでください。簡単なほうに行くことは、得てして自分をだめにすることが多いからです。つらいときこそ強くなるチャンス、目をつぶって心を定め、そして心から挑戦しましょう。
 受験生の皆さん、 高校受験だけでなく、中学受験も、大学受験も、健闘を心から祈ります。



「今週のことば」 2016年11月
 
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