「今週のことば」 2016年11月

<2016年11月第4週>
石神井本校 講師 吉田 満典

生徒への応援メッセージ
 
11月25日、中学3年生のガイダンスを実施した。期末テストも終わり、内申対策に比重を置いてきた石神井本校も、これからの入試本番に向けて、更なる実力をつけていくための対策に切り換える時期にきた。
 
石神井本校では学校の定期テスト、春・夏・冬の講習会、私立・都立入試直前など、それぞれの節目に、生徒のモチベーションを上げたり、新しく決意を固めたり、親への感謝を忘れないようにするためにガイダンスを行っている。
 
その中でも生徒の人気になっているのが、生徒への応援メッセージだ。笑いあり涙ありのすばらしい映像とともに、生徒一人ひとりへの応援メッセージが写し出される。生徒はもちろん自分へのメッセージを必死で探し、すぐに読み込み、心の中にじっくりと落とし込むのである。ワクワクする気持ちになるが、どんなことが書いてあるのか知らないだけに不安もある。
 
今回、私はその生徒へのメッセージの担当になった。前日の夕方に依頼され、休む暇のない授業が続き、教室の掃除、一日の反省会と、慌しくやりこなし、帰宅できたのが、深夜遅く。そこから40名近くの生徒一人ひとりにメッセージをパソコンに打ち始めた。
 
はじめの15人ぐらいまではスムーズにできた。しかし、ここからが大変だった。今年入塾した生徒だから・・・ではなく、意外と何年も付き合ってきた生徒のほうだ。たくさんの思い出があるせいなのか、言葉が出てこない。やっと出てきても、うまくまとまらない。本人の性格や今悩んでいること、親の願いや家庭環境など、考えが深くなればなるほど、頭の中がグルグルと回る。やっと最後の生徒が終わり、パソコンを閉じたときはすでに周りは明るくなっていた。
 
私だけがそんなに時間がかかったわけではない。いつも担当される先生はみな同じである。コメント一つで生徒にかなりの影響を与えるわけだから、こちらも真剣に成らざるを得ない。
 
人間、夜中に仕事をするとひとりよがりになりやすい。本当に生徒に届いたのだろうか?そんな不安を抱きながら少しだけ紹介したい。
 
・お父さんやお母さんの教えてくださることは、どれも大切なことです。それによってあなたは守られているのですから。
 
・天からいただいている能力と才能は、世界平和のために使うものです。だからもっともっと磨きをかけてください。
 
・あなたが転んでしまったことに関心はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ。負けるな、立ち上がれ!
 
・自分が一番いいと思うことがきっと正解。結果を恐れるな!限界を超えろ!
 
・お父さん、お母さんの教えてくれることは、あなたの見えなかったところにとどく光のようなものです。
 
・喜びもの時も、悲しみの時も、怒りの時も、そして涙の時も、大声をあげて青空に叫べ!そうすればもっと楽になる。
 
・小さいことをごまかさない人は、大きなことも正直にやり遂げます。それがあなたのいいところです。
 
・どちらに進むのが正しいのか、指をさしてくれます。あなたが生きている間ずっと、同じようにしてくれます。それが親です。
 
今すぐに、その意味するところがわからなくてもいい。いつか人生の節目に思い出してほしい。
いや、そのメッセージの内容は忘れても構わない。ただ、あのときに先生が一人ひとりに書いてくれたことだけは覚えていてほしい。
 
あなたのために、必死で言葉を探し出したエースの先生たちがいたことを・・・。



<2016年11月第3週>
大泉学園校 講師 木津 誠一


「生徒にとっての受験 = 親にとっての受験 = 講師にとっての受験」


大泉の地域では、埼玉の生徒たちがちょうど定期テストの山場を迎えている。特に、このテストで内申が決まる中3生は、黙々と試験勉強に打ち込んでいる。
 
一方、東京の中3生は2学期の期末テストが終わり、すでに結果も出始めている。塾としては、「さあ、いよいよ受験モードに突入だ!」という教室の空気を醸成できるよう、日々努めている。
 
先週まではテスト後の解放感に浸ってしまっていた生徒たちだが、今週は平日の午後から顔を出し、自習をする様子が見られるようになってきた。「これからは毎日来ます!」と宣言した頼もしい生徒もいる。皆が少しずつ、「受験生の顔」へと変わりつつあるのを感じている。
 
今後は、毎月の会場テストを見据えながら今までの復習をしていくのだが、中1~中3の学習範囲をやり直すとなると、大変な量になる。やり始めると、他にもやるべきことが見えてきたり、新たな自分の苦手を発見したり…。いくら時間があっても足りないことに気づくものである。
 
受験生にとって、学力が重要なのは言うまでもないが、これからの期間、実際の入試を乗り越えていく上では、「根気」「忍耐力」もとても重要な鍵になる。
 
ある保護者の方が面談の中で、「本人の第一志望の高校に受かるかどうか、正直、今は分かりません。でも、悔いが残らないように、最後まで頑張れた!と思えるようにしてあげたいんです」とおっしゃっていた。子を思う親の想いに触れ、親も一緒になって子どもの受験と真剣に向き合っているんだな…とひしひしと感じ、胸が熱くなった。
 
どんなに勉強した生徒でも、受験前になれば、「ああもっとやっておけば良かったな…」という思いに襲われる。その状況で頼れるのは、今まで頑張ってきた自分自身しかない。
 
「やれるだけのことはやってきた!だからきっと大丈夫だ!」
 
中3生全員が、最後はそういう思いを抱いて受験に臨めるように、これからの期間、一人ひとりの受験と全力で向き合っていく。



<2016年11月第1週>
東久留米幸校 室長 福永 浩之


Don’t think. Feel !!
 

気がつけば今年も残り少なくなってまいりました。前回、五月初めに講師メッセージを書いてから半年。時間が経つことのなんと早いものか・・・。朝晩はずいぶん冷えてきましたし、毎日自転車で通り抜ける狭山自然公園の木々の葉も、赤や黄色に彩られています。また、晴れた日には雪を頂いた大きな大きな富士山もクッキリと見られるようになりました。朝日に照らされて朱色に輝く富士山は実に神秘的です。
 
この半年で自然の風景が大きく変化したように、塾に通って来る生徒達にもずいぶんと変化がみられるようになりました。プロアクティブをプレゼントしたくなるほどのニキビ仮面になってしまった者もいれば、登塾するたびに背が高くなっていくイケメン君もいます。また、買ってもらったばかりの新しくてカッコイイ自転車で颯爽と登場する無免ライダー君や、本気の部活で精悍なツラ構えになってきたハンサム女子等々・・・。
 
見た目や持ち物の変化に加えて、勉強に対する姿勢もそれ以上に確実に変化(成長というべきですね)しているようです。一学期の中間テストからテストを受けるたびに確実に得点を伸ばしている生徒も一人二人と言わず出てきました。「勉強は自分がやるもの」です。これまで「与えられること」に慣れ切っていた生徒達も、たったこれだけのことなのですが、「これだけのことに自ら気づいた」頃から目に見える変化が現れ始めるようです。日々、変化・成長していく子供たちと接していると、この子達が一人前になって社会に出て行く頃にはどんなことになっているだろうと、ついつい期待してしまうものです。
 
ところで、これまで何回か引用させていただいた「学は人たる所以を学ぶなり」という吉田松陰の言葉について、生徒達と話す機会が、なぜか最近多くあります。学問というものは、扱う内容がどのような分野であったとしても、突き詰めていくと結局「人は人としてどうあるべきなのか、どう生きるべきなのか」「そもそも人とは何であるのか」というところに行きつくようです。何やら重苦しいテーマであるようにも思いますが、こちらが“真剣”に話しかけると、子供達も“真剣”に耳を傾けてくれるものです。こんな生徒達を見ていると、この国も、まだまだ捨てたもんじゃないと感じます。
 
目の前に控えた定期テスト、その先にある内申、さらにその先の高校入試、さらに大学、そして就職、それから・・・。子供達はその時その時に「良い」と言われる結果を求めて(周りから求められていると言った方が、より正確なのかもしれませんが)奮闘して(あるいは、させられて)いきますが、そのような取り組みを通じて子供達は「学び」を深め、成長していくのでしょう。
 
「まなび」の基本は「まねぶ」ことにあると言われていますが、成績の良い生徒の多くは「基礎」がしっかりしているもので、伸びていく生徒達というのは、基礎の習得に際して「お手本」に忠実であるようです。まず「お手本」の通りにやってみる、その通りにはなかなかできない、また「お手本」の通りにやってみる・・・を繰り返すうちに、やがて「お手本」を見なくても「お手本」の通りのことができるようになります。この段階で「我流」は禁物。なかなか伸びない生徒の典型的な特徴の一つとして、この「我流」が挙げられます。「自分なりのやり方」に拘るあまり、目的地から却って遠ざかってしまうことが多いです。この段階では「自分の頭で考える」というよりは、「お手本を通じて感覚的に“感じ取る”」ことがポイントとなります。Bruce Lee ではありませんが「Don’t Think. Feel !!」なのです。
 
「お手本」に頼らなくても「お手本通り」に動ける段階に至ると、「複数のお手本を組み合わせ」たり、「状況に応じて変形させ」たり、「自分自身の工夫を加え」てみたり、それこそ「自由自在に」動き回れる段階に移っていきます。「自ら目標を立てて、自らの意思で取り組む」ことができるようになります。この段階に至って、初めて「自分自身の考え(Think !ですね)」というものが出てくるようになるのです。
 
「良きお手本」というものが勉強や習い事に限らず、何事においても欠かせないものであると、つくづく感じさせられます。私自身においても、我が子を含む若い世代の人々が、これから「人として生きていく」上での「良きお手本」でありたいと、強く願うものです。



「今週のことば」 2016年10月
 
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