「今週のことば」 2015年11月

<2015年11月第4週>
東所沢校 講師  関 智之

範を示せる者に


およそ日本では定着しないであろうと思われていたハロウィン。10月31日の翌朝、残念なニュースをネットで知った。見出しはこうである。「ハロウィンで大人の散らかしたごみを子供たちが集めて回る」

仮 装して皆で大騒ぎするハロウィンは、日本人の気質によく合うのか、毎年恒例の一大イベントになった感がある。その盛り上がった渋谷の様子は、海外のニュー スでも取り上げられるほどである。ところが、テレビに映し出された翌朝のゴミだらけの街の風景はいただけなかった。ただ、子供達の姿は救いだった。

思 い出すのは昨年のサッカーブラジルW杯、予選敗退が決まり失意に暮れているはずの日本人サポーターがスタンドのごみ拾いを始めた。そのことで、世界中から 称賛を浴びた。それは、日本人であることを誇らしく感じる出来事だった。しかし、このハロウィン翌朝の街の風景に、私は少々がっかりさせられた。
 
以 前、授業が終わりみんなの帰った後、ある生徒が列の乱れた机や椅子を黙々ときれいに並べていた。私はその姿を見ながら、なんとはなしに明るい気持ちになっ た。そこで、理由を聞くと「なんか、すっきりしないんです」と言う。おそらく、普段の生活でもそうすることが当たり前になっているのだろう。とても印象に 残る光景だった。
 
本人の努力や持って生まれた資質も関係していると思うが、この子の周りには、そんなことが自然に身につく環境や見本 と なる大人がいたにちがいない。子供は「大人の言うことは聞かないが、やることはすぐに真似る」とよく言われる。塾講師として、一社会人として自分の振る舞 いや姿は子供達にどう映っているのだろうか、と考えさせられる。子供と接しながら、塾講師としてどんな影響を与えているのか、つぶさにはわからない。が、 塾講師として教科の指導だけではなく、生活の仕方さらには生き方にも範を示せる者にならなければ、そんな思いにさせられた出来事だった。
 
子供の教育に携わる仕事は子供達と日本の未来のためだと私は思っている。誇のもてる、明るい社会作りの一助となれるよう、一生懸命勉強を教え、子供達が真っすぐ成長するよう、これからも、塾講師として出来る精一杯の事をやっていきたい。



<2015年11月第3週>
東久留米幸校 室長 福永 浩之
 

先生は味方だよ
 

数 週間にわたる期末テスト対策の期間が終わり、テスト結果が判明するようになったある日のこと。いつも明るく元気な中2のA君の様子がヘンです。爽やかな笑 顔がとても印象的なA君の表情がとにかく硬い。前回の授業から数日たっていたので、その間に返却されたであろうテスト結果を尋ねるも、「まだ返されていな い」と言ったかと思うと「返されはしたけど、忘れた」「点数は覚えていない」などと、何とも不自然な返事です。
 
“実績評価”という観 点 からすれば、平均点が何点の問題に対して何点獲得したのかが問われます。言い換えると“評価する側から見て満足できる実績”をもたらすことが要求され、も しも要求された実績をもたらすことができなければ、厳しい“追及”が待ち受けています。“評価される側”は、常にそういったプレッシャーに晒されていると 言えます。
 
A君に限らず、テスト結果を報告してもらう時に不自然な言動が見られる生徒の中には、ひょっとしたら私のことを“その生徒 を 評価する者”として捉えて、“私が満足する結果”を報告できなかった場合、私から厳しい追及を受けるのではないかと恐れている者がいるかも知れません。
 
でも、“その生徒の指導を担当した私”は“評価を受ける側”であって、評価する立場にはありません。そういった意味で私は生徒と同じ側にある「味方」なのだと思います。
 
「あ んなぁ、A君。テストゆぅもんは、点数も勿論大事やけど、終わった後をどうするかがもっと大事なんやど。何点取って良かった、悪かったぁだけで終わっとっ たら、な~んも変わらんでぇ。返された解答用紙、○×のついたやつ。あれ見てどこができてて、どこができんかったんか、よぅ分析せんといかんのよぉ。テス ト勉強した時にできるようになったはずの問題は本番でもちゃ~んとできたんか、できたはずの問題でしくじったものはなかったんか。しくじったんなら何でで きんかったんか。時間が足りんかったんか、単純なミスやったんか、よそごと考えとったんか、えぇ加減な受け方しとったんか、勉強せんかった問題が出されて できんかったんか、振り返らないかんわなぁ。解答用紙見たら、いろ~んなもんが見えるんよ。先生は、点数も知りたいけど、そっちよりこのテストで何ができ てて何ができんかったんか知りたいんよ。できんかったんなら、何でできんかったんか、どうやったら次、できるようになるんか、一緒に考えたいんよ。なぁA 君よぉ、先生は味方やど」
 
「また同じ所で間違えて~。何回言ったら分かるの?」「何?この点?恥ずかしくないの?」「あなたには本当 に がっかりしたゎ。もう期待するだけ無駄ね」「これじゃ、行ける高校なんかあるわけないじゃない」「塾行っててこんなんじゃ、意味無ぇし、もう行かなくても 良いんじゃね?辞めちめぇ!」
こういった言葉は全て塾生を担当する私が受けるものであって、生徒に直接向けられるべき言葉・態度ではないと思うのです。
 
「学 校とか家のことは、先生は分からんけど、この数週間、A君が塾で勉強しとる姿を、先生ず~っと見とったで。土日の対策授業とか、自習にも来てやっとった ろ?そらぁ、まだ未熟で手を加えんといかんところはいっぱいあるでぇ。でも、A君が今の段階でできる精一杯のことはやり尽くしたゆうことは、他の誰も知ら んかっても、先生はちゃ~んと知っとるからな。時間はかかるかも知れんけど、A君の努力は絶~対実るからな」
 
そんなことを話していたら、A君、急にカバンをゴソゴソし始めました。
 
「あのぉ~。先生、やっぱ、カバン見たら解答用紙、入ってました。なんか勘違いしてました…」
 
A君、次のテストも、一緒にがんばろうな!!



<2015年11月第2週>
AO向山校 室長代理  瀬戸 義弘
 

  近隣の中学校では、第3週が二学期の中間テストになります。中3生においては高校入試に直結する内申点が決まる大切なテストです。個別指導塾エース・ワン では、普段受講していない科目を含めて追加授業の申込みを受け、土・日を中心に定期テスト対策を行っています。通常授業も2~3週間前からテスト範囲を やっています。

 
 先週の土曜日にテスト対策で昼過ぎから休みなく続いた授業が終わった後、子どもたちと話しているとき

「少年老い易く学成り難し」

との一節が思い浮かんできました。テストを前にがんばって勉強している、未来ある子どもたちを一日中見てきて、感極まったのかもしれません。そして

「一寸の光陰軽んずべからず」

と 続いて出てきました。いまならネットで検索すれば、ことわざや格言なども出てきますが、人生で活きる知識というものは、きちんと自分のものになっているも のなのだと感じました。歳を重ねると、若いころに見たり聞いたりしたことがふと思い出される経験は少なくありません。勉強に限らず、いろいろな経験をして おくことがとても大切だと思います。
 

 とはいえ、ネット上にはたくさんの情報があります。これらを使おうと勉強に役立つことばを探してみました。

「学問に王道なし」
 学校の授業をしっかり聞くこと。教科書、問題集をきちんとやること。そして繰り返し、繰り返し。これが基本だと思います。

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
 中学校の先生によく言われたことを思い出しました。わからないところがあったら、友だちや学校や塾の先生に聞いてみてください。わからないところがわかるようになったら楽しくなるはずです。(「質問」については先週の講師メッセージをご覧ください)

「後悔先に立たず」
 部活で忙しく、勉強になかなかモチベーションが上がらないという1、2年生も受験学年になってから後悔しないように、がんばってぼしいと思います。



<2015年11月第1週>
新座北野校 室長  竹鶴 智宣
 
質問の仕方の3つのレベル


 今定期テスト対策期間中なので生徒が学校のワークが分からないといって質問に来るのですが、その質問の仕方のレベルが3段階くらいあると思います。

 まず第1は、一度自分で考えてみて、解説も読んだがそれでも分からないというレベルです。このレベルの生徒はポイントだけ教えればすぐ理解しマスターします。

  次のレベルは自分で考えたが分からないので解説を見ないですぐ聴きに来る生徒です。こういう生徒にはすぐ教えないで、まず解説を読むように話します。それ ですぐ分かる生徒も少なからずいます。解説を見ることが悪いことだとでも思っているのか、これではせっかくの解説書も無駄になってしまいます。自分で読ん で自分で理解するのが自立学習の基本です。もちろんそれでも分からなければきちんと教えます。

 3番目のレベルは。問題を読むこともせ ず、少し見ただけで分からないと思い込み、質問にくる生徒です。こういう生徒に教えても、その場で判ったような気になるだけで、すべて無駄です。授業後な ど個別に指導できる時間をとって、まず問題を読ませ、少し考えさせた後に解説を見せながらゆっくり説明し、その後もう一度同じ問題をやらせてみます。それ で出来たとき、例外なく生徒はうれしそうな顔をします。


 最近は第2のレベルの質問が減って、第1のタイプが増えてきました。しかし第3のタイプは減りません。このタイプの生徒に粘り強く向き合うことが私の仕事であり、またそれが喜びでもあります。



「今週のことば」 2015年10月
 
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