「今週のことば」 2015年4月

<2015年4月第4週>
向山校 講師 藤河 健太


「間違いを恐れないで」


  授業に関心がないわけではないが積極的に発言や質問をできない子というのは、内申点では損をする。授業中に自分からは発言をせず、当てても黙って何も答え ないか「分かりません」の一言で済ませる子というのは、教える側からすれば、授業に参加しようという意欲を感じられず、印象が悪いのである。
 ま た、質問をできないということは、疑問があっても自分で調べるか友達に聞くしかないので効率が悪い。最悪の場合には疑問がそのまま放置され、授業が分から なくなってしまう。更に、社会に出れば積極性はますます重要になってくる。面接、集団討論、上司や同僚との関係、会議…etc。
 このように考えると、発言・質問しない子というのは損するばかりで何も良いことはない。ちょっと勇気を出して発言や質問すれば良いだけなのだ。それだけで先生の印象も内申点も学力も大きく変わるというのに。
 
…という正論を頭では分かっていても、できないのだ。

「間違えたらクラスメイトから笑われるのではないか?」
「的外れな解答をして恥をかきたくない」
「『え?何をバカなことを言ってるの?』という目が怖い」

  大人からすれば「そんなこと」なのだが、「周りからどう見られるか?」は本人にとっては大きな問題である。もしかしたら以前に自分が発言した内容について クラスメイトから嘲笑されたとかバカにされたとかいう辛い体験があるのかもしれない。そうなると、「ちょっとの勇気を出す」のはハードルの高いことであ る。
 
 だから誰でも発言・質問しやすい雰囲気を作ることが我々教える側の役割ではないかと思う。例えば私は、どんなに的外れな解答や質 問であっても尊重するように心がけている。正解にたどり着けなくても、解法の過程が正しい場合や着眼点に光るものがある場合には、ほめるようにしている。 特に発想が面白い場合には大いにほめる。
 今、この場で正解を出すのも大事かもしれない。しかしもっと大事なのは、定期テストや入試で正解するこ と。更には、社会に出て正解のない課題に直面した時にどのように取り組むのか?である。そのためには授業中にいくら間違えても良いと思っている。そもそも 一度話を聞いただけで全てを理解して、問題を解いても何も間違えることが無いのなら塾に来る必要がない。間違えても良いのだ。なぜ間違えたのか?どこで間 違えたのか?を把握して次に解けるようになれば良い。自分なりに考えてたどり着いた答えならば、是非自信を持って答えて欲しい。
 子ども達の柔軟な頭脳からは、こちらが予想もしていなかった鋭い質問や面白い発想が出てくることがある。私はそういう出会いがとても楽しみだ。だから是非、間違いを恐れずに積極的に発言・質問して欲しいと思う。



<2015年4月第3週>
上井草校 室長 田草川 英毅


最後の授業後に本人とお母様が塾に来られた時に感じたこと


 先週末に、高校へ来週から入学する塾生が、お母様とともにあいさつに来られた。毎年の光景だが、どの生徒もすぐに入塾する際の情景が思い浮かぶ。

  その生徒は中学1年の3学期に塾の門を叩いてくれた。第一印象は、「おとなしそう、賢そう、でも、プライドが高そう…」。「志望校は?」と尋ねたら、都立 の共通問題校の中の上位校だった。授業をしてみて、数学には光るものを感じたが、英語はわからなくなり始めているのが、こちら側にはよくわかる不正解のオ ンパレード。これは時間がかかるなあと…。あるいは結果が思うように出ないと挫けてしまうかも…という予感がした。

 しかし、それはいい 意味で裏切られた。授業には欠席もほぼなく、遅刻もせず、そして授業中、宿題もこちらの要求通りにコツコツと学習をすすめてくれた。英語は文法理解だけで なく、教科書の本文暗記も積極的で、いつしか苦手教科ではなくなっていった。中3の6月の英検で、準2級に合格できたことが、さらに自信をつけた。数学は 抜群の理解力を見せ始め、精度も速度も舌を巻かせるほどになった。

 入塾時から掲げていた第一志望の都立高校に対して、合格の展望が見え てきたころ、父母面談で、その高校への本人の思い入れが強いので、まさか変わることはないだろうと思いながらも激励の意味を込めて、「よりレベルの高い高 校も目指せるようになりますよ」と話した。そして、何校も見学していく中で本人が第一志望を上げる意志を固めて来たことには、ひそかにひやりとしながら も、手綱をゆるめることなく受験に向かわなければとの思いにさせられた。

 結局、受験直前の中学の成績をきっちりと基準にまでそろえるこ ともでき、上げたレベルの高校への合格も会場模擬などから見えてきた。共通問題校の高偏差値校は、受験生がみんな高い内申とそれに見合った実力を持ってい るので、わずかなミスが命取りになる入試だと口酸っぱく本人に言い聞かせた。85平均は取りたいから、どの教科も間違いは3つまでと言って過去問などにあ たらせた。

 そして…。見事に期待に応えてくれた。

 英語も数学もほぼ満点の出来、85平均も余裕でクリアしての合格 だった。本人もご家族も大喜びだったのはもちろんだが、合格発表の掲示を見に行ってガッツポーズする自分の達成感は本人に引けをとらないくらいのものが あった。その生徒には、広がった未来に対してさらに進んでほしいと思った。



<2015年4月第2週>
保谷校 室長 野澤 幸夫


思い出されるあの生徒


 この時期思い出される生徒は、たくさんいる。そのうちの一人について書こうと思う。その生徒は、2年が終わり3年になる春休みの講習会から入塾した。いよいよ受験生だが、直前に行われた学年末テストの結果も、5科目の合計が257点とあまりおもわしくなかった。
 当初は、この結果にも表面上はさほど気にも留めていないようであった。また、この時点では、まだこれと言った志望校も無かったようだ。
 塾での勉強が始まった。案の定、宿題もやれている時とそうでない時、授業の受け方も集中できている時とそうでない時がある。確かに夕食後の時間帯ではあるが、本人のなかの目的意識がまだまだ明確では無かったからのようだ。
 でも、入塾してきた訳だから心の中には、本人も気づいていたのかいないのかはわからないが、間違いなく何かしらの向上心の種が芽を出していたにちがいない。これを如何に伸ばしていけるかが、この時の最も重要な課題である。
 そのため、入塾の際にはじっくりと話し合い、入塾後もことある毎にその目的の確認をしながら、共に努力を重ねていく。極めて単純である。やればできるようになっていく。やらなければできるようにはならない。いや、忘れてしまう。そのことも確認しながら…。
 そうこうしていくうちに、次の1学期中間テストがやってきた。結果は5科目で345点になった。自信も芽生えてきた。やる気も今まで以上に出てくる。すると期末では387点、夏期講習でもう一頑張り、そして2学期中間で414点、期末では439点まで伸ばしていった。
 志望校も当然変わっていった。受験では、その力を発揮し入塾当初は考えもしなかった高校に見事合格! この物語からそれぞれが、何かをつかんでもらえればと思う。

 ちょっと今までよりも意識をもって、ちょっと今までよりも努力し続けることで、誰でも似たような結果を得ることができると固く信じる。
 ただし、中3からで大丈夫かという話ではない。これは危険をはらむ。『後悔先立たず』のことわざがある。時間だけは元に戻せない。
 だから、中学入学時からの入塾を、いや、もっと言えば小学5年生からは少なくとも基本的な勉強をしておきたい。これもお伝えしておきたい。
(なお、ここに掲載する点数は、本人の了承を戴いている)



「今週のことば」 2015年3月
 
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